非常用トイレを買おうとして、まず迷うのが「何回分を選べばいいのか」ではないでしょうか。50回分・60回分・100回分と商品ごとに数字が違い、自分の家族なら何日もつのかが分かりにくくなっています。

内閣府の避難所ガイドラインには「トイレの平均的な使用回数は、1日5回」という基準が書かれています。この数字を使えば、商品の「○回分」を「何日分」に置き換えて考えられます。

ただし、備蓄する日数そのものには「3日分」と「1週間分」という2つの目安が存在します。何のための3日で、何のための1週間なのか、まず整理してから、実際の商品で計算していきます。

非常用トイレは、1人1日何回分を用意すればいいですか?

1人1日5回が目安です。 内閣府(防災担当)の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)に、「トイレの平均的な使用回数は、1日5回として、備蓄や災害時用トイレの確保計画を作成すること」と明記されています。

このガイドラインでは、備蓄数の計算式も示されています。

必要な備蓄数 = 想定人数(a) × 5回 × 備蓄する日数

同じガイドラインには、1回あたりの排泄量についても「平均的な排泄の回数は5回、排泄量は約200〜300mlであると言われています」という記載があります。市販の凝固剤は1袋で500ml前後まで固められるものが多いので、通常は1回の使用に1袋で足ります。

必要な備蓄数=想定人数(a)×1日の使用回数5回×備蓄する日数n。出典は内閣府(防災担当)避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン

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20回分・60回分の2種類から選べる商品です。60回分なら1人で12日分にあたります。日本防災安全協会の「防災製品等推奨品マーク」を取得していると説明文にあり、防臭袋・凝固剤とも、回数分がすべて付属します。保存年数は15年です。

向いているのは、1人暮らしで長めの日数をまとめて備えたい人です。4人家族の場合は、この1つだけでは3日分にしかならないので、複数個の購入か他商品との組み合わせが前提になります。

◎ ここが良い

  • 1袋で防臭袋・凝固剤が回数分すべて付属
  • 防災製品等推奨品マークを取得
  • 15年の長期保存に対応

△ 気になるところ

  • 20回分・60回分の2種類展開で、選ぶ回数を間違えやすい
  • 汚物袋のサイズ表記が20回用・60回用で分かれている
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備蓄日数は、3日分と1週間分のどちらが正しいですか?

どちらも正しく、それぞれ対象が違います。 内閣府のガイドラインが挙げる「3日分」は、本来は市町村が避難所に配備する数の目標として書かれたものです。ガイドラインには「携帯トイレの備蓄目標数は、何日間分備蓄するかを決めます。まずは、3日分を目標にしましょう」とあり、続けて「国や県からのプッシュ型による支援等もありますが、流通品と同様に、交通事情により到着が遅れることもあるため、自助や共助による備蓄も併せて行いましょう」と書かれています。

つまり「3日分」はもともと避難所向けの数字で、個人の家庭に向けた基準ではありません。ただし「1日5回×日数×人数」という計算式そのものは、家庭の備蓄にもそのまま応用できる考え方として広く使われています。

家庭向けには、これより踏み込んだ目安を示している機関があります。経済産業省は「トイレ備蓄 忘れていませんか」で家庭の備蓄を呼びかけ、東京都は「自宅での避難生活に役立つ今すぐできる防災アクション」で、上下水道の復旧目標を30日以内としたうえで、1週間分の備蓄を勧めています。

「3日」と「1週間」が別の文脈の数字だと知らずに両方を見ると、どちらが正しいのか分からなくなります。避難所の最低ラインが3日、家庭の推奨ラインが1週間、とそれぞれ覚えておくと整理しやすくなります。

避難所の最低ラインは3日(出典:内閣府ガイドライン)、家庭の推奨ラインは1週間(出典:経済産業省・東京都)。同じトイレの備蓄でも対象が違う数字

家族の人数で計算すると、何回分になりますか?

「5回×日数×人数」に当てはめるだけです。 1人で3日分なら15回、1週間分なら35回になります。家族の人数別に計算すると、次のとおりです。

人数3日分の目安1週間分の目安
1人15回35回
2人30回70回
3人45回105回
4人60回140回

4人家族で1週間分をそろえようとすると140回分が必要になり、1つの商品だけで足りるとは限りません。複数の商品を組み合わせる前提で、まず「何回分」の商品なのかを確認していきます。

人数別の必要回数早見表。1人は3日分15回・1週間分35回。2人は3日分30回・1週間分70回。3人は3日分45回・1週間分105回。4人は3日分60回・1週間分140回

商品の「○回分」は、何日分にあたりますか?

回数を5で割ると、1人あたりの日数になります。 商品説明にある「60回分」「100回分」といった数字は、そのままでは何日分か分かりません。先ほどの式を逆算して、回数÷5で日数に置き換えます。

実際に売られている商品で計算すると、次のようになります。

回数分の商品を1日5回の式で日数に換算した比較
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→ 表は横にスクロールできます

回数の多い商品ほど日数も伸びますが、同じ「100回分」でも保存年数の記載があるかどうかは商品によって差があります。 表の「記載なし」は、商品説明のどこにも保存年数の具体的な数字が書かれていなかった商品です。書かれていないものを「長期保存」と判断せず、確認できたことだけを基準にしています。

60回分の商品は、4人家族なら何日もちますか?

4人家族では、60回分は3日分にしかなりません。 「60回分」という数字だけを見ると多く感じますが、1人あたりの回数に直すと印象が変わります。

60回 ÷(5回 × 4人)= 3日

1人暮らしなら60回分で12日分になりますが、4人家族だと3日分で使い切ってしまう計算です。商品の回数を見るときは、必ず自分の家族の人数で割ってから判断してください。1週間分(140回・4人家族)をそろえるなら、60回分の商品を2〜3個組み合わせるか、100回分以上の商品を選ぶことになります。

商品ごとの特徴は、どう違いますか?

回数の計算だけでなく、商品ごとに付属品や表記の細かさにも違いがあります。3つを個別に見ていきます。

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防災士監修と明記された商品です。50回分・20回分の2サイズがあり、50回分なら1人で10日分にあたります。保存年数は15年です。

向いているのは、10日前後という中間的な日数で備えたい人です。便座カバーの色や柄は選べないので、見た目にこだわりがある場合は他の商品と見比べてください。

◎ ここが良い

  • 防災士監修と明記されている
  • 50回分・20回分の2サイズから選べる
  • 15年の長期保存に対応

△ 気になるところ

  • 便座カバーの色・柄は選べない
  • 50回分は20回分よりかさばる
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防災士の柳原志保さんと共同開発したと説明文に書かれている商品です。50回分・100回分の2種類があり、100回分なら1人で20日分にあたります。凝固剤は1個11.5gと、他の商品より多めです。

向いているのは、1つの商品でまとまった日数を確保したい人です。同じ回数帯の商品と比べると価格は高めなので、保存年数の記載がない点とあわせて、価格に見合うかを確認してから選んでください。

◎ ここが良い

  • 防災士 柳原志保さんと共同開発と明記されている
  • 凝固剤11.5gと大容量
  • 使い捨て手袋が回数分(両手分)付属

△ 気になるところ

  • 同じ回数帯の商品と比べて価格が高め
  • 保存年数の具体的な記載が見当たらない
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「巨大地震に備えよ」のような煽り文句がある商品は、避けたほうがいいですか?

商品説明の煽り気味な書き方と、回数の計算は別物として見てください。 商品説明の書き方が煽り気味だからといって、中身のスペックまで不正確とは限りません。

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楽天ランキング1位を獲得したと表示されている商品です。凝固剤100個・排泄袋110枚(便器カバー10枚を含む)とセット内容が明記されており、100回分=1人で20日分という計算は他の商品と同じ式で成り立ちます。

一方で、商品説明には「巨大地震に備えよ」「対策を急げ」「30年以内70〜80%」といった、不安をあおる書き方が並びます。このサイトはこうした煽り方には賛同しません。 ただし、それとセット内容・回数の正確さは別の話です。説明文のトーンで判断せず、回数と価格だけを比べて選んでください。保存年数の具体的な記載は見当たりませんでした。

◎ ここが良い

  • 楽天ランキング1位の実績(取得時点の表示)
  • 排泄袋を10枚多く同梱し、便器カバーにも使える設計

△ 気になるところ

  • 商品説明が「巨大地震に備えよ」「対策を急げ」など不安を煽る書き方になっている
  • 同じ100回分の商品と比べて価格が高め
  • 保存年数の具体的な記載が見当たらない
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このように、説明文が冷静な商品でも回数の記載が曖昧なことがあれば、煽り気味の商品でも回数の記載自体は正確なことがあります。 商品を選ぶときに見るべきは、説明文の温度ではなく「回数」「価格」「保存年数の記載有無」の3点です。

まとめ

非常用トイレの備蓄は、「1日5回×日数×人数」の式に当てはめると、必要な回数がはっきりします。 内閣府のガイドラインが示す3日分は避難所向けの目標で、経済産業省と東京都は家庭向けに1週間分を勧めています。どちらを目指すにせよ、商品の「○回分」を5で割れば、自分の家族が何日分をまかなえるかが分かります。

4人家族で1週間分(140回)をそろえるなら、60回分や100回分の商品を組み合わせて考えてください。商品を選ぶ基準は、説明文の煽り具合ではなく、回数・価格・保存年数の記載があるかどうかです。

よくある質問

内閣府の「1日5回」は、何にもとづいていますか?

内閣府(防災担当)が令和6年12月に改定した「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」に記載されている数字です。同ガイドラインには「トイレの平均的な使用回数は、1日5回として、備蓄や災害時用トイレの確保計画を作成すること」とあり、備蓄数の計算式(想定人数×5回×日数)の基準として使われています。

3日分の備蓄で足りない場合、支援は来ますか?

ガイドラインには「国や県からのプッシュ型による支援等もありますが、流通品と同様に、交通事情により到着が遅れることもあるため、自助や共助による備蓄も併せて行いましょう」と書かれています。支援自体はありますが、到着時期は保証されていないため、届くまでの分は自分で備えておく前提です。

なぜ東京都は1週間分の備蓄を勧めているのですか?

東京都のページでは、上下水道の復旧に時間がかかることを踏まえたうえで、家庭向けの備蓄として1週間分を勧めています。上下水道の復旧目標を30日以内としており、その一部をまかなう目安として1週間分が示されています。

「防災対応」と書かれた商品なら、内閣府の目安を満たしていますか?

満たしているとは限りません。「防災対応」という言葉自体には回数や日数の基準がなく、商品によって「○回分」の数字が大きく異なります。商品説明にある回数を「1日5回」の式にあてはめて、自分の家族が何日分をまかなえるかを確認してから選んでください。

1回あたりの排泄量は、備蓄量にどう関係しますか?

内閣府のガイドラインには「平均的な排泄の回数は5回、排泄量は約200〜300mlであると言われています」と記載されています。市販の凝固剤は1袋で500ml前後まで対応するものが多いため、通常は1回の使用に1袋で足り、凝固剤は排泄袋と同じ枚数をそろえるのが目安になります。

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